佐藤匡則議員一般質問_20240617
令和6年第2回伊達市議会定例会一般質問
佐藤匡則議員
・脱炭素社会について
議事録
◆2番(佐藤匡則) おはようございます。私は、令和6年第2回定例会に当たり、さきの通告に従って、一般質問をさせていただきます。今回は1点、脱炭素社会についてです。
令和5年10月の産業民生常任委員会での先進地視察で島根県奥出雲町を訪れました。奥出雲町は、1,300年前に編さんされた出雲国風土記に良質な鉄の産地として記されております。先人たちの営みは、たたら製鉄の砂鉄採取で切り出された山々は荒廃することなく豊潤な棚田に姿を変えてきたこと、どこかで止まってしまうものではなく、全てが循環しているという部分から脱炭素社会の根源であると思われます。また、早くからバイオマス産業都市構想に選定されており、脱炭素社会の実現へと動いてきた自治体でございます。令和5年6月9日にはゼロカーボン宣言を行ったところで、1年がたったところでございます。再生可能エネルギー、省エネルギー設備導入への補助メニューを様々と用意したり、木育の導入を幼少期から行うなど、住民の脱炭素への意識の醸成を早くから行っていたとのことでありました。
伊達市においては、令和6年5月1日に市長が伊達市ゼロカーボンシティ宣言を表明したところであります。また、伊達市地球温暖化対策実行計画には、2030年温室効果ガス46%削減、2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すとのことであります。この伊達市地球温暖化対策実行計画の中には、脱炭素のための主な施策として産業部門、業務そのほか部門、家庭部門、運輸部門、廃棄物部門、エネルギー転換部門、そのほかの分野と多岐にわたって記載があります。しかしながら、これらの実行についてはなかなか容易ではないと感じているところです。このことから、伊達市ゼロカーボンシティ宣言における伊達市地球温暖化対策実行計画から以下のことについてお伺いします。
1番、2030年まで温室効果ガス46%削減、2050年にはゼロというスケジュールでありますが、これらの計画はどのようになっているでしょうか。
2番、住民、企業など事業所、そのほか様々な関係各所との協力、連携などは必須であると考えますが、どういった手法をもって進めていくのか。
3番、木質ペレットの今後について。
以上、脱炭素社会についてお伺いします。よろしくお願いいたします。
○議長(辻浦義浩) 市長。
〔市長 堀井敬太登壇〕
◎市長(堀井敬太) 佐藤議員の脱炭素社会についてのうち、伊達市地球温暖化対策実行計画についてのご質問からお答えをいたします。
この計画は、世界規模で進められている地球温暖化対策に対応するために定められたものであり、本市の特色を生かしつつ、実効性を意識した計画としております。
次に、関係各所等との協力、連携についてでありますが、目標達成のため積極的な周知や必要な支援を行うなど、関係各所との連携を進めてまいります。
次に、木質ペレットの今後についてでありますが、木質バイオマスエネルギーはゼロカーボンの実現において重要な役割を担うものであり、かつ本市の森林資源の有効活用に資することから、今後もニーズに応じた木質ペレットの生産、利用を進めてまいります。
以上、答弁といたします。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) それでは、通告でも書かせていただきましたけれども、昨年の令和5年10月、委員会で脱炭素の先進地であります奥出雲町を視察してまいりました。その時点では、奥出雲町ゼロカーボン宣言をしたばかりという時期で、またテレビドラマの撮影等も行われ、ロケ地マップ等作成されておりました。非常に町が活気に満ちていたなというふうに思っていました。
奥出雲町は、ゼロカーボン宣言を伊達市よりも約1年早く宣言しておりました。この地域は、世界で唯一たたら製鉄を継承しておりまして、原料の砂鉄を採取するために500年以上もの間かんな流しという採掘技術で山々を大規模に切り崩してきました。その後、採掘のために造られた水路やため池を再利用し、約700ヘクタールぐらいと推計されているそうなのですけれども、広大な棚田へと次々と再生していくということでした。山を大規模に削ると聞くと、環境破壊を連想してしまいがちなのですけれども、確かに炭鉱を掘ったりとか山削った後、手を何も加えずに荒廃していくという例は特に諸外国では非常に多いということでございました。しかし、奥出雲では山々を大規模に切り崩した後、棚田に変えたりとか、あとは耕作のための役牛、牛です、こういったものを活用して牛ふん堆肥を利用してきたということでございます。17世紀初頭から続けられたこの役牛改良の知識は、肉用牛の技術に受け継がれて、ブランド牛である今は奥出雲和牛とかというのですか、こういうのに受け継がれてきたということでした。また、飼育で得た牛ふん堆肥による長年の土づくりから、これもブランド米として全国で知れ渡っているのですけれども、仁多米というものを作られているというふうなことでした。あと、燃料として伐採してきたまきとか炭の林ですけれども、薪炭林、シイタケ栽培等にも生かされてきているというような話を聞いております。あと、伐採跡地にまいたソバが非常に良質だったということから、出雲そばが日本3大そばの一つになったというふうに伺っております。こういった循環型社会を古代から形成してきた場所でございました。これらの取組や視察において脱炭素社会のモデルとして多くの学びを提供していただいたなと、このように思っております。
奥出雲町を少し紹介させていただきました。これを踏まえて、伊達市のゼロカーボン、脱炭素について再度質問させていただきます。よろしくお願いいたします。今回ゼロカーボン計画が策定されました。この計画の意義と目的、これについて改めて確認させていただきたいなというふうに思います。どのような意義と目的を持って進められる計画なのかお聞かせいただければと思います。お願いいたします。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 意義と目的ということでございます。このゼロカーボンということについては、まず世界中で地球温暖化対策というものに取り組まなければならないという環境になっていると。例えば日本でも5月の連休明けぐらいから30度を超えるというような環境になっているということで、皆さん方も体感できるような地球温暖化というものが進んでいるということでございますので、これらをしっかりと世界中で一丸となって取り組んでいかなければならないという、こういう時代だというふうに思います。それに従って国や北海道も脱炭素に向けた様々な取組を進めるということで、そういったことの計画づくりを進めると。当然ながら自治体にもそれをしっかりとやりなさいというようなことが求められているという環境になってございます。したがいまして、そういったことがまず意義として挙げられるということでございます。
もう一つ、この計画をつくった目的は、やはりただゼロカーボンを目指しますと口で言うだけでは駄目で、当然ながらそれに向けた実効性、実現性、これらもしっかりつくらなければいけないということで、こういったことをどんなことを取り組んで、どういったことをやればそれが実現できるのかということを盛り込むということがこの計画の重要な点ということになってございますし、もう一つ重要な点はこれが絵に描いた餅であってはいけないので、当然ながら実効性を持たせることを意識しながらつくらなければいけないということを我々としては意識したところということでございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) ありがとうございます。温室効果ガスの削減、持続可能社会の構築、エネルギーの循環とかという話が今少しありましたけれども、もちろん重要な課題として認識されているのかなというふうに思います。これらの課題に対応するため、伊達市では様々な取組が進められていると思っております。通告でもお話しさせてもらいましたけれども、木質ペレットは後でお伺いするとしまして、この計画において市としてどこに主眼を置いたのかなという部分についてお伺いさせていただきます。また、具体的にはどういった特徴があるのかなとか、伊達市ならではの独自色というのですか、こういったものに関してはどういった部分なのか、この辺についてお聞かせいただければと思います。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 先ほども市長の答弁にもありましたように伊達市の特徴を生かしてということを意識した計画としているところでございまして、伊達市の特徴は何かというと、やはり自然が豊かで、山もあり、海もある、そして農業が盛んと、こういった特徴があるかと思います。したがいまして、そういったところを意識して、例えば農業でいえばほかの地域ではなかなかまだ取り組んでいないゼロカーボン農業ですとか、そういったものを意識したり、あるいは林業で、先ほどこれから質問されるということでございますけれども、木質ペレットへの活用ですとか、あるいは海もございますので、将来的にブルーカーボンの関係とかの計画等も盛り込めればいいのかなというふうに思ってございまして、いずれにしても伊達市独自性を出したそういった取組を進めたいなということが今回の計画の特徴ということでございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 今ご答弁いただきました。もちろん伊達市の基幹産業農業という部分、重点的に取り組むのかなというふうに思っておりました。それに関連してほかに、今少し答弁ありましたけれども、注力している分野とか、あとこういった分野も可能性があるのではないかとかというふうな研究されているような部分があるかなというふうに思いますけれども、この辺について少しお伺いさせていただければと思います。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) まずは、今言ったように伊達市の特徴をしっかり生かして、それらを踏まえた計画を実現していこうということでございますけれども、まだまだ研究分野の段階というところもあると思うので、今現時点でなかなか紹介できるレベルにはないですけれども、そういったことが出てくれば新たな取組としてご紹介、あるいは推進するといったことのご説明をする機会も出てくるかなと思いますので、もう少しお待ちいただければというふうに思ってございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
あと、市のゼロカーボン宣言、先月、一月たったのかなというふうに思いますけれども、道内においては少し後れを取っているのかなというふうに思います。スタートが遅いかなというふうに思いました。宣言が早ければいいとか遅いから駄目とかという意味ではないのですけれども、令和4年でしたか、たしか同僚議員がゼロカーボン宣言について少し言及していたかなというふうな記憶しておりました。それから2年までたっていない、1年半くらいですか、1年ちょっとかなというふうに思いますけれども、今回令和6年5月に、先月に、一月前ほどになりますけれども、ようやく宣言ができましたという部分なのですけれども、この理由について、要は少し遅くなったという理由についてお聞かせいただければと思います。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 先ほど佐藤議員ご指摘のとおり、令和4年に質問されて、その時点でも準備を進めているというようなことをお示しをさせていただいたところでございまして、実際にそういった策定に向けて準備を進めているということが2年前から行っていたところでございますが、実は具体的な議論を進める段になって前市長が引退をするというような意向を示されました。その際に我々現場に対しても、やはり辞める人間が新しい計画について言及をするということはいかがなものかというようなこともありまして、ここについては新市長の下で宣言をするというほうがよろしいのではないかというような意向を示されましたので、具体的な作業そのものはしっかり進めてはいたのですけれども、宣言や内容については新市長と打合せをしてというお話もありましたので、我々としましては新しい市長の下でということで、この5月1日にゼロカーボン宣言ということに至ったところでございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 粛々と準備されていたということ理解いたしました。重ねて申し上げますけれども、先ほども申し上げましたとおり、早ければいいとか遅ければ駄目とかということではないと思うのですけれども、逆にこの宣言が遅くなった、結果的に遅くなったという部分なのですけれども、これに対して得られたメリットとか、逆にこういった点が実はよかったよみたいなところ何かあればお伺いさせていただきます。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 実は、この時間をいただいたおかげで様々なものを整理する時間ができました。例えばこの計画を進めるに当たって、我々も進めていく中で分かったことというのがゼロカーボン計画、これはカーボンを発生するのをまるっきりゼロにするということではなくて、当然ながら二酸化炭素というのは自然に吸収するという考え方もございます。伊達は、例えば森林、それから農地、こういったものがいわゆる二酸化炭素を吸収できるということになるものでございますし、海もあって、コンブやワカメがあればそちらも吸収できるというものの一つということになっているそうでございまして、そういった考えをこの2年間の中でどれぐらい吸収できるのかということを整理することによって、カーボンを減らす量というものをしっかり計算するということができる、そういった時間的なメリットができました。
もう一つは、この2年間の間に農業においてゼロカーボンというものを活用できないかということを検討してまいりまして、今回この計画の中でもゼロカーボン農業というものを盛り込んで、いわゆる農業においてもカーボンニュートラルを目指す、そしてしっかりそれを活用しながら、もうかる農業というものを検討するというようなことをこの計画の中で策定をしているというところでございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 分かりました。海のとかという話も今言及されていましたけれども、この中にも絵も描かれているブルーカーボンでしたっけ、初めて見た単語で、ちょっと勉強させていただければなというふうに思っていました。
通告にも書かせていただいたのですけれども、2030年の目標値が書かれているかなというふうに思います。残された期間というのですか、この2030年まであと5年半ぐらいですか。非常に厳しい数字だなというふうに認識しておりました。この目標達成に向けて、現時点でとか、あと今後も含めてですけれども、何か対応策というのですか、どういったものが講じられているのかをお伺いさせていただきます。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) まず、考え方として、先ほど若干触れましたけれども、自然吸収という考え方がございまして、2030年の時点までに減らさなければいけない、46%の削減量を減らさなければならないのですけれども、現時点でもある程度のパーセンテージが達成できていると、いわゆる自然吸収のおかげで。そういったものを盛り込むことによって、この程度やればこの46%が達成できるというようなことが計算上出ております。それでもこの5年間の中でそれを達成するための事業量というのはかなりの事業量になるということでございますので、これらを実現、推進、達成させるということになりますと、やはり工夫なりなんなりということは必要なのかなというふうに思いますので、その辺工夫についてはしっかり検討してまいりたいなというふうに思ってございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 現在講じられているということですね。分かりました。
あと、これに関連というか、すると思いますけれども、例えば費用面についてお伺いさせていただきます。こちらの区域施策に関しても詳細が示されていないのですけれども、実際うたわれている施策を実施するといった場合に、かなり莫大な費用がかかるのかなというふうに思います。例えばこちらの資料にも出ているのですけれども、大まかに計算してみたところ、太陽光パネルの設置についてですけれども、詳細はちょっとはっきりしないのですけれども、100キロワットって大体2,000万以上ぐらいかかると。この計画の中での道の駅周辺エリアの発電の導入という部分ざっくり計算したら、恐らく安くても7,000万円以上かかるのかなとかというふうに思っていました。計画の中にさらに経営改善の省エネ事例というのも出ていまして、ガス吸収式温水器の導入とか、これ今もやられていますけれども、庁舎での昼休みの消灯とか電気ヒートポンプの更新、LED化とかという具体例が挙げられていますけれども、要はこれらの省エネ効果試算している一方で、費用が問題になるかなというふうに思っています。導入費用について工夫とか、効果的な方法とか何か検討されている部分あったらお聞かせいただければと思います。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) ご指摘の点が一番我々も悩ましい点でございます。こういった自然エネルギーの推進ということになりますと、今お話にありました太陽光、それから風力、あるいは今伊達市でも推進していますけれども、温泉熱、様々自然エネルギーありますけれども、どれもイニシャルコストが非常にかかる事業ばかりでございまして、これらの事業を何の工夫もなくやっていると莫大な費用がかかるということはご理解いただけるかと思います。したがいまして、これらを先ほど言ったように工夫してやらなければいけないということになろうかと思いますけれども、やはりまず一番は効率的にするためには当然ながら導入するエリアを絞って、例えば活用する施設ですとか、そういったものが集中している場所で事業を起こすと。マイクログリッドなんていう表現もしますけれども、そういったエリアを絞ってやる、そしてあるいは投資する時期を集中することによって投資効果、いわゆる費用の面を圧縮するというようなことも一つの手かなというふうに思ってございまして、それを具体的に考えたいなというふうに思ってございます。
もう一点は、こういった自然エネルギー導入に向けては、補助金、様々なものが今設定されてございます。環境省ですとか様々な省庁でもってそういった補助金をメニューとして持ってございます。ただ、この補助金は、導入された当初はまず自然エネルギーをどんどん、どんどん推進していこうというような背景がありましたので、そんなに基準というものも厳しくなかったのですけれども、現在はかなり厳しい基準になっているというふうにも伺ってございますので、もう一つはやはり補助金を獲得するがゆえに、無駄なそういった公共事業を行ってしまうというようなことがあってはいけませんので、そういったことはしっかり検討した上で事業について実施に向けての検討をするということが重要でないかというふうに思ってございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 今ご答弁の中に環境省とかという、補助金とかという話もご答弁ありました。これもたしか令和4年の同僚議員との一般質問だったか、ちょっと記憶ないですけれども、当時の市長とのやり取りで脱炭素とかゼロカーボン宣言はしたはいいのですが、補助事業に採択されるのが本当に少なくて、その時点でも約1割ぐらいではないかというふうな話があったと記憶しています。現実的にも今部長おっしゃったように非常に厳しい状況なのかなというふうに思いますけれども、現在の採択状況というのですか、うちだけではなくていろんな事例もあるかなというふうに思いますけれども、この辺について状況をお伝えいただければと思います。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 先ほど言ったように、導入当初は様々どんどん、どんどん推進しようというようなこともあって、緩い審査事案だったりというふうに思ってございます。単純な例えば太陽光を家庭につけるといっただけでも補助金、助成金というものが設定されていたというふうに記憶してございますが、現在まずある程度自然エネルギーが推進されてきて、普及もされてきたということと、あと基準が緩くなったおかげで手挙げをするところが非常に多くなってしまったということで、環境省が配分している予算では全てを採択することができないというようなことになってきたという背景がございまして、当然ながら年々厳しくなっていると。例えば伊達市でも昨年の基準でこれで獲得できるだろうと思って進めていたら、次の年の4月になったら基準が突然厳しくなるというようなこともあって、計画どおりに進めることでは補助金が獲得できないというような背景になってしまうというようなことも起きてございますので、そういったことについては情報収集も含めてしっかり進めていかないと、計画していたのに補助金は獲得できないというようなことになろうかと思います。したがいまして、今はどちらかというとそういう単純なものではなくて、例えば複合的、省庁がまたがるような事業であったり、そういう何かプラスアルファのものが得られるということでないと採択はされにくいというような状況になってございますし、2年前よりもさらに採択するところが厳しくなっておりまして、佐藤議員おっしゃったように1割と言っていましたけれども、1割どころか今はもう年間数件というような感じになっているということで聞いてございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 今複合的なみたいな話も少しあったのですけれども、例えば採択の条件とか選ばれやすくなるというのですか、何かポイントとか条件など押さえている部分で、コツというのですか、採択されやすいような部分もう少しご答弁いただければと思いますが、いかがですか。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 非常に難しい問題でして、先ほど言ったように基準が毎年変わるのです。ですので、現時点でやっている内容が果たして来年もいいかどうかということについても非常に難しい問題ですので、これらについては環境省に今職員も派遣してございますので、そういった情報収集も含めてしっかりやりながら具体的な内容というものを精査して、補助金獲得ができるようなスキームというものを考えていければなというふうに思ってございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) ここに関しては理解いたしました。粛々とやられているという部分ですね。
ここで少し奥出雲町の取組参考にさせていただいて、市でも同様のことが可能かどうか確認させていただければと思います。よろしくお願いいたします。奥出雲で検討されていたのは、一般的なソーラー、結構今も市内にもありますけれども、あれの結構脚の長い、高いやつ、これの下部に、下の部分に農作物を作るというような感じで、農業生産と発電を一体化させるみたいな形で、ソーラーシェアリングみたいなことらしいのですけれども、こういった導入が検討されていました。この取組、結構今も市内にもありますけれども、この辺の取組とか、そういったものに類するものが市内にもあるのかなというふうに思った次第なのですけれども、この辺に関してはいかがでしょうか。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 話には聞いたことはございますけれども、具体的に導入されている事例というものは私の知っている限りまだないかと思います。というのは、北海道は奥出雲町と大きな違いというのはやっぱり積雪があるということです。それから、農地をつくるのに上に太陽光パネルがあって、農作物にまるっきり支障が出ないかどうかというものは正直やってみないと分からないというような意見もありますので、そういったことについては研究課題ではあるのだろうなというふうに思ってございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 今恐らく担当部内ではそういう話が出ていないのかなというふうに思いますけれども、担当部ではない例えば農業委員会とか、こういった他団体という部分でこういった検討とか話があったというのはお聞きになっているでしょうか。いかがですか。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 少なくとも私の耳には入っていないのですけれども、そういった技術の推進したり、やってみたいというような方が出てくれば、そういったことをご紹介できる機会ももしかするとあるのかもしれませんけれども、現時点ではまだまだ研究段階の技術というふうなことを聞いてございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) あと続きまして、奥出雲町では一般住宅向けに対してゼロカーボンに関連した省エネルギーの補助策結構充実していたかなというふうに思いました。例えば高断熱とか高効率設備、蓄電池とか、ソーラー発電パネルも含めてなのですけれども、市で一般住宅向けの補助に関しては、何かこういったメニューとかというのはございますか。いかがでしょうか。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 奥出雲町は、何かお聞きするとかなり財政的にも裕福な町だということも聞いてございまして、そういった独自政策を打てる力もあるのだろうというふうに思います。伊達市が決して力がないというわけではないですけれども、伊達市もそういった事業展開をするにはやはり一定の費用というか、財源が必要ということになろうかと思います。先ほど言ったように補助金関係については、そういう単純なものについてはもう採択がされないということになってございますので、これをやるとなると市の一般財源でやるということになりますので、こういったメニューをつくるということになる際にはやはり市民の必要性の声が高まってみたり、あるいは市として市民に省エネというものが非常に重要な取組なのだというようなことが理解されるということになって初めて検討すべき課題かなというふうに思ってございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 分かりました。ありがとうございました。あと幾つか奥出雲のほうでは検討されていた事項があったかなというふうには認識しておりましたが、話を戻させていただきます。
少し前のお答えで、採択の条件に関する考え方とか基本的な考え方理解いたしました。先ほどの答弁でもありましたように農業と林業について、少し関連というか、お伺いさせていただきます。伊達の独自色として、先ほどもありましたけれども、ゼロカーボンと農業分野の連携とか協働とかというのが計画的に明記されていますけれども、木質ペレットに関してももちろん触れられていたかなと思います。まずは農業と林業の関連性含めて、これらの計画推進にまず大きな枠としてお聞かせいただければと思います。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 先ほど言ったように伊達市の独自色というものですので、そこをしっかり生かしながら進めていくことが我々の特色を出すということにつながるのではないかというふうに思ってございます。ゼロカーボン農業に関して言うと、農業が伊達市の基幹産業ということもございますし、そしてやはり生産において冬場の生産というのは非常に重要になってきます。そうすると、冬場のエネルギーをどう確保するかと。そうすると、エネルギーというものを確保する、そのエネルギーに自然エネルギーを活用するという、それがゼロカーボン農業につながっていくと。そして、先ほど言ったように自然エネルギーを使うってなると、どうしてもコストが、イニシャルコスト等もかかりますので、それらの活用をした上でもやはり農業としてもうかるのだというようなことを組み立てられる、これがゼロカーボン農業を推進するための基本的な考え方だと思っていますので、それを実現するための方法というものを推進してまいりたいなというふうに思ってございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 次に具体的な話を聞こうと思ったのですけれども、大分今具体的な話しされたので、次に移りますけれども、エネルギーシェア構想、もちろん絵も描いた、今部長答弁でありましたけれども、農業とゼロカーボンのエネルギーのシェアという部分ですけれども、もちろん現在進行形の部分があるかなというふうに思います。ゼロカーボン農業の基本的な考え方についてはどうなっているかお聞かせいただけますでしょうか。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) すみません、先に答弁してしまいました。
先ほど言ったように、ゼロカーボン農業の根本にあるのは冬場のエネルギーをどう確保するか、そしてそのコストをいかに抑えて農業を経営として成り立たせるか、そこが一番重要な課題だと思っていまして、そこに工夫をしないとなかなかゼロカーボン農業の推進というのは実現できないのではないかなと思ってございますので、そこがしっかり取り組むべき課題だということでございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) この辺に関しては理解いたしました。ありがとうございます。
伊達市の基幹産業にゼロカーボン、脱炭素の考えというのを導入するのはすばらしい考えですし、必要なことだなというふうには思っておりました。先ほど申し上げましたけれども、導入には多額の費用がかかるのかなというふうに考えられますけれども、先ほど少し伺いましたけれども、その点について例えば事業者へのサポート等何かあるのでしょうか。いかがでしょうか。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 事業者のサポートに関しては、まず国でつくっている制度あります。例えば強い農業づくり交付金、あるいは先ほど言った環境省の高度化推進交付金とか、そういった制度がございます。そのほかにゼロカーボン農業の具体的な事業内容をこちらのほうでも見させていただいて、伊達市としても応援すべき部分があるなというふうに判断した場合には、市で応援する内容というものも検討したいなというふうに思っています。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) まだまだ研究が必要な分野かなというふうには思っていました。今後も新しいプランとかも出てくるのかなというふうに思いますが、しっかり進めていただければなというふうに思います。
次に、林業、主に木質ペレット、これについてお伺いします。まず、現在本市のペレットボイラー等に関して導入状況等を押さえていたら教えていただければと思います。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 現在ペレットボイラーについては、公共施設でいうと10施設13台導入しているところでございます。ペレットストーブのほうは、民間の方々も多数導入されていますので、ちょっと把握し切れていないところもありますけれども、当初は結構な台数が導入されていたかなというふうに思います。ただ、最近お聞きすると、もうかなりの方が故障とともにおやめになったりするということもあって、現在は多分導入したときの半数以下になっているのではないかなというふうに推測しているところでございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 分かりました。半数なのですね。分かりました。
あと、この使用量の推移とか、あと消費というのですか、使用というのですか、この辺に関してはどのようになっていますか。あと、需要と供給のバランスというのですか、こういった部分もどうなっているかお聞かせいただければと思います。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 表を見ると、平成26年が使用量のピークということになってございます。需要と供給というところでいうと、非常にお答えしづらいのですけれども、必要な分だけ作るというような形を取っておりますので、需要と供給が自動的にバランスが取れているということになります。26年をピークに下がってきているということは、先ほど言ったようにペレットストーブをおやめになっている方が結構いるということがあって、だんだん、だんだん減ってきていて、トン数でいうと平成26年が1,500トンだったのですけれども、昨年、令和5年度でいうと約1,000トン弱まで下がっているという状況でございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 灯油との価格比較というのがよく話題になるのですけれども、ペレットの単価とか燃費とかという部分に関しては、どういうふうになっているかなというふうに思います。この辺に関してデータとか押さえている部分があれば教えていただければと思います。お願いいたします。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) いろんな計算方法あるのですけれども、一番分かりやすいのはいわゆる熱量で計算するというのが一般的ですので、熱量で換算しますと、現在はペレットのほうが灯油よりも約4割ぐらい安い値段ということになってございます。これは、灯油価格によってこういう結果になっているということでございまして、実はこれが逆転現象している。私が農務課長だった時代にペレットストーブを農家に導入していただいたのですけれども、その際は灯油価格がまだ48円とか、そういう値段でした。そうすると、ペレットのほうが高くて、非常に不評を買ったというようなこともあったので、これは灯油価格とか、そういうものによっても左右されますけれども、現在は灯油価格が高騰したおかげでペレットのほうが4割ほど安いというような状況になってございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 分かりました。左右される部分があるのですね。分かりました。
あと、これも過去ずっとやってきたなという話なのですけれども、このペレットの生産について問題とか課題、改めて教えていただければと思いますが、どうなっていますでしょうか。
○議長(辻浦義浩) 経済環境部長。
◎経済環境部長(大和田一樹) 決算委員会でも何度か質問が出ていたと思いますけれども、改めてご紹介させていただくと、まずペレットプラント建設から15年経過してございます。老朽化が始まってきてございますので、特に躯体というよりは中の設備がかなり傷んでございます。ですので、そういったものの更新ということが必要になってくるのですけれども、これの更新費用というのは、変な話ですけれども、単体ずつ見ても何千万というような更新費用がかかるということになってございまして、現在は修繕をしながら何とか使っていこうという考え方で進めているところでございます。
それからあと、働いている従業員の確保です。ペレットプラント今4名の方が勤めていらっしゃるのですけれども、その方々やはりなかなか地元で採用するのが難しくて、隣のまち等から来ていただいているというような状況でございまして、これも何とかかんとか知り合いに頼んで来ていただいてというような状況になってございますので、こういったことが将来的な従業員の確保ということも非常に重要な課題になってくるのかなというふうに思ってございます。
それから、もう一つ、原料です。原料が非常に今高騰化してきてございます。したがいまして、生産すればするほど今は赤字が増えていくというようなことになってございますので、原料の確保ですとか、そういったことも非常に重要な課題になっていくのかなというふうに思ってございますので、これらについてはやはり需要と供給、先ほど議員ご指摘いただいたようにどれぐらいの需要があって、どれぐらいの量をしっかり供給していけばいいのか、そういったことをしっかり見据えながら今後進めていくということが重要でないかなというふうに思ってございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) なかなか難しい問題だなというふうに思いました。まず、木質バイオマス、カーボンニュートラルということについての理由、もちろんこの場にいらっしゃる皆さんは理解なさっているかなというふうに思いますけれども、改めてお話しさせていただきますけれども、木は、木だけではないのですけれども、成長過程で二酸化炭素を吸収して大きく育つと。これを伐採して燃やす、延焼させる際に出る二酸化炭素は、成長時に吸収した部分と出す部分でプラス・マイナス・ゼロ、要は相殺されるという部分で木質バイオマスというのはカーボンニュートラルと位置づけされているというようなことです。これまで木質ペレットに関しては、幾度となく議論されてきた問題ですけれども、現在ゼロカーボン宣言から計画まで非常に詳細に策定されまして、エネルギーシェアにおいて農業とか林業との連携を強化する計画が進行中ということでございました。このような計画の状況において、私個人的には木質バイオマスのペレット、これは増産せざるを得ないのではないかなと思っております。先ほど来担当部長のほうから様々な問題、課題とか現状とか答弁いただいてまいりました。ここからは市長にお伺いしたらいいかなというふうに思いますけれども、これらの課題が明確になっている中で、前市長、たしかこれも4年の一般質問でしたっけ、予算か忘れましたけれども、例えば増産も視野に入れるような話も、考えも示されていたのですけれども、こういった部分含め、今回脱炭素、ゼロカーボン宣言を掲げられました堀井市長としては、木質ペレットの増産、この辺に関してはいかがお考えでしょうか。いかがですか。
○議長(辻浦義浩) 市長。
◎市長(堀井敬太) お答えをいたします。
今部長から答弁ありましたとおり、様々な課題が大きい中で生産しているというのが今木質ペレットの現状でございます。そうしたことも鑑みまして、必ずしも増産という選択肢だけが私は道ではないふうに考えております。原材料が高くなっている、調達コストもかかっている、また先ほど申し上げたとおり修繕コストも今後莫大にかかってくるということも考えて、今後の事業の継続性なども勘案したときに果たして増産だけが道なのかというところは、いま一度考え直したいなというところでございます。
○議長(辻浦義浩) 佐藤議員。
◆2番(佐藤匡則) 最後に、もう一度市長にお伺いさせていただきます。市長の力強いリーダーシップにおいて伊達市が持続可能な未来へと進むということを確信しておりますが、このゼロカーボンの計画推進に対して熱意とかビジョンとか、こういった部分を最後お伺いして締めくくりたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(辻浦義浩) 市長。
◎市長(堀井敬太) お答えをいたします。
先ほど答弁にもありましたとおり、実際に環境省にも職員を出向して、その中で様々な制度の変更であるとか様々な手段であるとか、そういったものをいち早く市のほうに還元してもらうために職員出向しておりますけれども、そうした先進な技術をいかにどう早く取り込んでいくかというのが非常にポイントであるかなというふうに思っています。このゼロカーボンの分野というのは、多額な投資がかかる部分でもありますけれども、今後の地球環境の維持、保持と、保全といったところのマクロ的な部分からも非常に大事な政策だと思っています。そして、先ほど言ったように莫大な投資がかかるということは、逆に言うと新しい設備であるとかものへの投資ということも起こるということがございます。新しい産業が興るという可能性も秘めているということでございます。ですので、今後の地球環境の保全というところと、あと産業の発展というところの両輪を見据えながら、しっかりと推進していきたいというふうに思っております。
以上でございます。